スンデ・卵・トッポッキ製造業者が対象

スンデ（豚の腸詰め）製造業者A社は、衛生的なステンレス製の作業台ではなく、不潔な工場の床に豚の腸などの材料を置き、上から水をかけて洗浄していた。
A社の劣悪な調理設備や器具は、いくら掃除をしても衛生面で限界があり、ほこりがたまった換気扇や錆び付いたステンレス製排気フードは、ゆでたスンデから立ち上る水蒸気を十分に吸い上げることができなかった。
湯気が立ち上るスンデをそのまま常温で放置すれば、スンデの表面に水滴がこびりつき、カビや細菌が発生しやすい状態になる。

　今年夏、食品医薬品安全処（庁に相当）がスンデ製造業者92カ所を点検したところ、42カ所（46%）が、A社のような不衛生な管理をしていたとして摘発された。
市場占有率1位のトッポッキ（餅の甘辛炒め）製造業者B社は、大腸菌や食中毒菌が検出されたトッポッキ用の餅180億ウォン（約19億1400万円）相当を違法な手段で流通させていたとして摘発された。
また、廃棄しなければならない割れた卵約6万個を製パン・製菓業者や飲食店、給食業者などに流通させた鶏卵加工場も摘発された。

　韓国で国民的な人気がある「3大間食」のスンデや卵、トッポッキについて、政府が集中的な衛生管理に乗り出した。
食品医薬品安全処は10日、スンデや卵、トッポッキの製造業者が2017年までに、国際的な食品衛生管理手法「HACCP」の認証を受けるよう義務付ける内容の、食品衛生法施行規則と畜産物衛生管理法施行規則の改正案を提出することを予告した。

　食品医薬品安全処は、スンデ製造業者の場合、従業員が2人以上の業者は来年まで、2人未満の業者は17年までにHACCPの認証を受けることとした。
また鶏卵加工場は16年、従業員5人以上の業者に対しHACCPの認証を受けるよう義務付け、17年には5人未満の業者も対象とする。
食薬処の関係者は「これらの食品は流通、消費の段階で取り締まるだけでは限界がある。HACCPを通じ、製造段階で十分な設備を備え、現場の教育を強化し、衛生問題を根本的に可決するという趣旨だ」と話した。

李智恵（イ・ジヘ）保健医療専門記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/11/2015111101374.html