「朴泰桓（パク・テファン、25）は、来年のリオ五輪に出場する意思を持っている」

これは、朴泰桓（パク・テファン、25）に禁止薬物の男性ホルモン剤に陽性反応が出た件で、国際水泳連盟
（FINA）の聴聞会に出席した李起興（イ・ギフン）大韓水泳連盟会長が25日午前、仁川国際空港に到着した
際に述べた言葉だ。そして、「朴泰桓は、五輪に行って良い結果を出せば損なわれた自分の名誉が回復
できるのではないか、と考えている。だが、まず朴泰桓はどのように（男性ホルモン）注射をすることになった
のか、国民の前で詳しく説明し、許しを請わなければならない」と語った。

朴泰桓は昨年9月3日に受けたドーピング検査で禁止薬物に陽性反応（同化作用男性ホルモンステロイド）
を示した。そして、23日の聴聞会に出席、18カ月間の選手資格停止処分を受けた。FINA側は、朴泰桓が
医師を告訴して検察の起訴へとつなげたのは「選手の故意でなかった」ことを判断する重要な基準と考えて
いないという。李会長は「聴聞委員たちは五輪メダリストの朴泰桓が注射を打ったというファクト（fact＝事実）
を重く受け止めていた」と言った。

朴泰桓は聴聞会で「なぜネビド（男性ホルモン剤）注射を打ったのか」という質問に「男性ホルモンの数値
が低かったから」と答えたとのことだ。男性ホルモン（テストステロン）は第1種禁止薬物のステロイド剤だ。
朴泰桓は世界の舞台で活躍する選手であるのにもかかわらず、こうした常識を知らなかったという。
それでもFINAは懲戒処分期間を通常の2年から18カ月（1年6カ月）に減らす寛容さを示した。

処分時期についても朴泰桓への配慮を見せた。FINAの規定には「選手がドーピングで摘発された場合、
これをすぐに認めれば処分開始時期を最初のサンプル採取日に早めることができる」とある。朴泰桓は
昨年、済州全国体育大会期間の10月30日にAサンプルに陽性反応が出たとの通知を受けながら、
試合に出場し続けた。このため、処分開始時期はBサンプルも陽性反応を示し、朴泰桓が一時選手資格
停止状態になった昨年12月9日とすることもできる。だが、こうなると処分終了時期はリオ五輪開幕（2016年
8月6日）2カ月前の来年6月8日になってしまう。しかし、FINAは処分開始時期を昨年9月3日にさかのぼって
適用、リオ五輪5カ月前の来年3月2日に処分が解けるようにした。

朴泰桓が来年のリオ五輪に出るには、「韓国代表選抜は禁止薬物に関する処分が終わった日から3年間
は不可能」とする現在の大韓体育会の規定も変えなければならない。大韓体育会副会長でもある李会長
は「朴泰桓が徹底して自己反省するなら、どんな決定が韓国社会にふさわしいのか検討するムードになる
だろう」と語った。

成鎮赫（ソン・ジンヒョク）記者

ソース：朝鮮日報　2015/03/26 08:08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/26/2015032600683.html