1: まぜるな!キケン!! 2020/10/04(日) 09:04:28.04 ID:CAP_USER
 金大中(キム・デジュン)政権時代、取材で夜な夜な出回るときはソウル市江北区の外れにある薛勲(ソル・フン)議員のマンションによく立ち寄ったものだ。40代半ばで初当選した薛議員は、政権をやみくもに擁護する60、70代の議員とは違っていた。話が通じる人だった。東橋洞系の末っ子らしく、金元大統領に対する忠誠心は絶対的だったが、一般的な案件では野党との対話で政局を打開していくべきだという柔軟な姿勢を崩さなかった。

 今ではそんな薛議員も70歳を目前に控えた与党5選議員となった。秋美愛(チュ・ミエ)法務長官の息子が兵役中に特別扱いを受けていたのを、 先日薛議員がかばうのを見て衝撃を受けた。「膝が悪いため元々軍隊に行かなくてもいい立場だが、母親のために入隊し、兵役を果たしたのだ。よって褒めてあげなければならない」とコメントした。

 約20年前に私が出会った「あの人」だったら、秋美愛長官の問題による支持率低下を懸念したに違いない。ところが、その口からは正反対の言葉が伝えられた。熱狂的な支持者たちの顔色をうかがい、心にもないことを言っているのだろうか。そうであると信じたい。久しぶりに電話でもかけてみたいところだが、「私は本気でそう思っている」という答えが返ってきそうで、なんだか勇気が出ない。

 金鍾民(キム・ジョンミン)議員は国会の対政府質問の間、秋美愛(チュ・ミエ)長官を弁護した。与党上がりの国会議長まで「質問はしないのか」と注意するほどだった。金議員は「秋美愛長官を問題視することは、子どもを軍隊に行かせた全ての母親を苦しめるようなものだ」と述べた。「お母さんが秋美愛でなくてごめんね」という母親たちの心の傷をより深くするようなものだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の参謀時代に何度か会ったときも、彼は穏健で合理的な人だった。

 「なんだか人が変わってしまったようだ。あの人はあんなことを言う人ではないのに…」。最近になって一人でこうしたため息をついている。年を取って立場が変われば考えも変わる。そのため過去とは違った考えを口にすることもある。しかし、それも程度というものがある。健全だった人々が常識や道理から逸脱した言葉を使う。魂が抜けてしまってこそ言える内容だ。異端の宗教に通う者たちの言葉でも聞いているようだ。こうした症状を見せる者が一人や二人ではない。与党の側に偏っている。ゆがんだ確信も、まるで感染病のように接触を通じて拡大していくのだろう。

 この新興宗教の一つ目のおきては「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は絶対善であり、誤作動を起こさない」というものだ。その欠点のない完璧性は、大統領だけでなく大統領と関係がある全ての対象に転移する。大統領のそばに行くだけでも全ての過ちが消え、義人へと生まれ変わる。こうしていったん「文在寅の人」として公認されるようになれば、その人物の言行もやはり批判不可能な聖域として保護されるようになる。

 秋美愛事件に対する与党の主張は次のようにまとめられる。「大統領が秋美愛法務長官を指名した。その選択により、秋長官は欠点のない人間となった。秋長官夫妻の息子の休暇延長の申し入れも間違いではない」「与党代表なら長官を通じて頼む道もあっただろうに、れっきとした窓口を通じてのことだから外圧ではなく、むしろ美談」といった話がこうして生まれた。

 秋長官の息子も、文在寅→秋美愛→息子につながるコピー論理を通じて「文在寅の人」となった。「国のために身をささげる」という軍人の本分を全うしたとたたえられ、安重根(アン・ジュングン)義士と同じ隊列に昇格された。21カ月の兵役期間の58日を休暇に使い、19日は病による休暇、4日の一般休暇を申請する特別扱いまで受けた彼に「為国献身」の称号を認めたのだ。

(続く)

金昌均(キム・チャンギュン)論説主幹

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/10/04 05:32

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引用元: ・【朝鮮日報/コラム】文在寅は絶対善、そばに行くだけで義人になる [10/04] [新種のホケモン★]

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