韓国与党・共に民主党と野党の平和党、正義党は22日、いわゆる「5・18わい曲処罰特別法案」を共同で国会に提出した。法案の内容は5・18民主化運動（光州事件）を否定、誹謗、わい曲、ねつ造、さらには虚偽の事実を流布した場合、七年以下の懲役か7000万ウォン（約690万円）以下の罰金に処するというもの。

メディアやネットはもちろん、展示や講演、討論会、懇談会、集会、演説などで問題の発言をすれば刑務所行きになるということだ。

法案提出のきっかけは、保守系野党・自由韓国党の数人の議員が「5・18に北朝鮮の朝鮮人民軍が介入した」などの陰謀説を取り上げたことだった。しかしこの「5・18北朝鮮軍介入説」が根拠のない極端な主張であるのと同じように、5・18処罰法もやはり行き過ぎた発想と指摘せざるを得ない。

虚偽の内容を広め他人の名誉を傷つけ権利を侵害した場合、処罰を行う法律はすでに存在する。実際に5・18に対する根拠のない誹謗や名誉毀損で処罰を受けた事例もある。しかしその上にさらに新たな法律を制定し、刑務所に送るというのは国民の口をふさいで恐怖心を与え、意見の表明さえも封じることに他ならない。

自由韓国党の一部議員による5・18関連の主張はすでに国民から強い批判を受け、党の支持率まで低下するという大きな代償を払った。間違った主張はこのように公の場で強い批判を受けるのが民主社会だ。

ところがそれだけで直ちに刑務所送りにするとなれば、それは6・25戦争（朝鮮戦争）で南侵を否定し、多くの護国英霊を「侵略者」にでっち上げることや、あるいは哨戒艦「天安」爆沈の陰謀説を主張し、犠牲となった将兵や遺族の胸をえぐった人間たちはどうなるのか。全て刑務所行きになるのだろうか。何事も度を超えてはならない。


2019/02/23 09:20
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