韓国の憲法裁判所が、「性売買（売買春）特別法」が違憲かどうかを判断するための公開弁論を来月9日に行い、
本格的な審理に着手する。ソウル北部地裁は2013年1月「売春した女性の処罰は基本権の制限に当たる」という
元売春婦（44）の申し立てを受け入れ、同法が憲法に違反しているかどうかの違憲法律審判を憲法裁に申し立て
たが、それから2年3カ月にして初の公開弁論が行われることになる。憲法裁は2009年、婚姻を持ちかけ性行為に
及ぶことを処罰する婚姻憑藉（ひょうしゃ）姦淫罪を違憲としたほか、先ごろ姦通罪についても違憲との判断を下した。

特に、公開弁論にはキム・ガンジャ元ソウル鍾岩警察署長（70）＝女性＝が参考人として出席し、性売買特別法の
違憲性を訴える見通しで、注目を集めている。キム元署長は署長在任時の2000年に管内の風俗街「ミアリテキサス」
を集中的に取り締まるなど、風俗店との「戦争」を繰り広げた。また、02年に警察庁の女性青少年課長に赴任して
以降は、全国の風俗街に取り締まりを拡大した。

だが、退任後の04年に施行された性売買特別法については一貫して反対の姿勢を示してきた。キム元署長は本紙
とのインタビューで「最初は、売買春は無条件で処罰すべきだと考えていたが、風俗街の現場を見て考えが180度
変わった。風俗街を合法化して生活のために売春する女性を保護する一方、ルームサロン（高級個室バー）などで
働く売春女性は取り締まるべきだ」と語った。

憲法裁が公開弁論に先立ち、違憲側、合憲側の代理人から弁論に出席する参考人の推薦を受け付けたところ、
違憲側の代理人がキム元署長を推薦したという。高麗大法学専門大学院の朴景信（パク・キョンシン）教授（44）も
違憲側の参考人として出席する見通しだ。

一方、性売買特別法を合憲と主張する法務部（省に相当、以下同じ）と女性家族部はそれぞれ江陵原州大のオ・
ギョンシク教授（55）とチェ・ヒョンヒ弁護士（45）を推薦したとされる。オ教授は韓国比較刑事法学会の会長を務めた
経歴を持つ。

問題となっている性売買特別法の第21条1項は「性売買をした者は1年以下の懲役または300万ウォン（約32万円）
以下の罰金、拘留、または科料に処する」となっている。ソウル北部地裁は違憲法律審判を申し立てた際「搾取や
強要のない成人同士の性行為は自己決定権に委ねるべきであり、国が介入してはならない」との判断を示した。
これに対し、性売買特別法を合憲とする専門家らは「性売買は個人のプライベートな領域ではない」と主張している。

パク・チョンヒョン記者

ソース：朝鮮日報　2015/03/16 10:48
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/16/2015031601172.html