済州島で行われる第95回全国体育祭典（日本の国民体育大会〈国体〉に相当）開幕まで十数日と迫る中、大韓乗馬協会が突然、
「馬術競技を済州島ではなく内陸部で開催する」とホームページに告知、済州島との間で摩擦が起きている。

　大韓乗馬協会は15日、公式ホームページに「全国体育祭典の馬術は内陸部で開催されることをお知らせする。場所が決定し次第、
公示する」と掲載した。全国体育祭典は28日に済州島で開幕し、馬術は29日と30日に済州馬術競技場で行われる予定となっている。
現時点で選手103人が参加登録した状態だ。

　大韓乗馬協会関係者は17日、元喜竜（ウォン・ヒリョン）済州特別自治道知事と会談し、競技場施設が不十分で馬の輸送が難しく、
競技力が低下する恐れがあるなどとして済州島では試合ができないとの意向を伝えた。

　全国乗馬選手協議会も18日、大韓乗馬協会ホームページの自由掲示板に「馬術の内陸部開催決定を歓迎する」と書き込んだ。
チョン・ジェシク選手協会議長は「船舶で済州島まで行けば馬がストレスを感じる可能性があるし、もしかしたら事故が起こるのではと
いう懸念もある。済州島の馬術競技場は馬場が平らでなく、馬が脚などを痛める危険性も高い上、テント張りの仮設厩舎（きゅうしゃ）
に滞在すれば、済州島は風が強いので馬が不安がるかもしれない。そういったことから、選手たちの側から問題提起があった。
仁川アジア大会で使用されたドリームパーク乗馬場で全国体育祭典の試合をしたいというのが選手たちの希望だ」と語った。

　これに対し、済州島と済州島乗馬協会は20日、「大韓乗馬協会が混乱をあおっている」と反論した。

　済州島は、馬術競技に備えて事業費71億ウォン（約7億1000万円）をかけて6月末、屋外競技場・屋内馬場・厩舎などを完成させた。
しかし、大韓乗馬協会は当時から「雨が降った後の水はけが悪い。厩舎も馬房が250くらい必要だが、50くらいしかない」などと問題
提起していた。

　それ以来、済州島は2回にわたり現場点検を実施し、指摘事項をすべて補完したとしている。済州島乗馬協会は8月、全国市・道支部
会長団を正式招待して競技場設備・馬場・仮設厩舎などが全国体育祭典を行うのに問題ないとの結論を出した。

　ところが、大韓乗馬協会は今月1日、済州島で競技場の現場点検を行い、6日に全国体育祭典を主催する大韓体育会に「馬術競技の
内陸部開催を検討する」と通告した。

　済州島の関係者は「大韓乗馬協会関係者は2度も豪雨に見舞われた翌日、競技場を見に来て水はけに問題があると考えたようだが、
実際は試合するのに支障なく、厩舎問題も仮設厩舎を十分用意して解決している。馬術の本場イギリスでもこれより良くない施設で
国際大会を開いている」と言った。別の関係者は「大韓乗馬協会などが仁川市に『アジア大会に合わせ国際規格の乗馬を作って
くれれば、今後はほとんどの馬術競技をそこでしたい」と提案、双方が密約したという説もある」と語った。

　済州島や済州島乗馬協会などは文化体育観光部（省に相当）など関連部処（省庁）を訪問、馬術競技の済州島開催を強く要求する
ことにした。しかし、見通しは明るくない。大韓体育会のユン・オクサン競技運営部長は「これまで済州島や協会などで話し合いをしたが、
両者間の見解差は大きい。主催と主管は済州島と大韓体育会だが、実際に全国体育祭典の馬術競技を運営し、競技施設の公認などを
するのは大韓乗馬協会なので、済州島で試合ができないと言うなら同協会の意向に従うしかない」と話している。

ソース（Yahoo・朝鮮日報）　http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141021-00001475-chosun-kr